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文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

包帯クラブ

この作品を携帯小説読者に読ましたらどう思うのだろうか?というのが第一の感想。
というのも最後は結局自分の中では評価は変わっていったんですけども序盤を読んでる感じだとあまりにもテーマが青臭すぎてはずれかなぁとか思ってたんですよ。
主人公がゴムなしでsexをしてしまったりとか、未来がわからないあいまいな高校生活とか結構、恋愛という要素を除いた上での携帯小説に近い気がして、なので携帯小説読者が読んだらこれもおもしろいというのか、それともこの本すら面白いとは思えないのか、そこの違いによって携帯小説は結局恋愛という要素によって保っているのかそれとも他の青春という要素で保っているのかの違いが明確になると思ったんですよね。
それがわかれば同時に携帯小説はリアルに感じれるからこそ売れているのだ、という評価が正しいかどうかもわかるわけで、だって実際問題としては恋人がエイズでしたなんて話はめったにありませんし。まぁ、そういう点で最初の感想が出てきました。

で、読み進めてみると意外と最後まで読めました。
重要なのはストーリングの基礎である起承転結がきちっとはまっているということ。
多分、友情物語のお手本のようなつくりになっているはず。こういう型にはまっている物語って言うのはなんだかんだでテーマがありきたりでも最後まで読めるようにはなるのでここは筆者の上手なところなんでしょう。
また、くどすぎるだろと突っ込みたくなるようなアイデンティティーの確立時に起きるような状況描写は最後のほうになると逆に素直な気持ちでこれを見れなくなった僕の方が青春というのを喪失してしまったのかもしれないななんて思ったりもしたり、そう考えるとハッピーエンドではあるんだけど少しもの悲しい気分になりもした一冊でした。

あと話し自体は綺麗なんだけども、「ティーンの後半になって人はどうしようもできないことがあると悟り始めるものであり、それを受け入れるための儀式(包帯を巻く)によるコミュニティーの確立」っていうのは一歩間違えればカルト的宗教となんら変わらなくなってしまうということは忘れてはならないと思う。

包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)

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