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文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

腐り姫

腐り姫 ライアーソフト製作
http://www.liar.co.jp/kusaritop.html

ビジュアルノベルスという形式を生かした繰り返し物(ループを繰り返す短い日にちの中で少しずつ記憶が受け継がれるなどしてストーリーが進展する形態)の腐り姫なわけですが、結局腐るということをどう捉えるかによって大きく人の評価が変わる気がします。
腐り姫である蔵女は人を腐らせる=堕落させる(精神的な意味で)ことによってのみ存在価値をもっているわけなのですが、この腐らせるという表現が曲者。
腐らせるということはゲーム中では人が自分の奥底にある願いがかなった瞬間に自分を存在させている意味を失ってしまうという解釈がなされています。つまり自己存在理由が浄化されることによって人も空虚な人間に堕ちてしまうということです、そしてここが重要ですが、この自己存在理由の探求はその人物の願いであるためにその浄化された人物は願いが叶い幸福である状態で生きる意味を失います。簡単に言うと燃え尽き症候群というのでしょうか(笑
この構図はブギーポップの噂に非常にシンクロしています。つまり、その死神は人の一番きれいな状態の時に現れ、その人物を殺すという、死による時間の停止を使った美の永遠性の獲得です。
こここそ人によってそのあり方を許容できるのか、それともそんなものは死を迎えている時点で許容できないのかでずいぶんと受ける印象が違うんだろうなぁと感じます。ちなみに僕は話としてはわかるけどやっぱり許容できないよ、それは、みたいな感じでした。

話自体の作り方は非常に上手です、不気味さとせつなさと数々の伏線のせいで結構時を忘れて楽しめます、もっとも色々な場所で批判されているように最後の急展開はどうよという意見が出てくることも納得できますがだからといってそこのせいで作品全体のレベルが下がってしまうかといえばそれはNOでしょう、少なくとも僕自身はその事実が明かされた時点では逆に作品の価値が跳ね上がった気までします、なぜならば蔵女の動機という重要な点が不都合なく繋がるからです。この点は結構曖昧なまま終わってしまう伝奇系物語は多いので非常に感心しました。

今は廃盤になってしまったためディスクを手に入れることはできませんがオンライン販売はされているので伝記とSFが好きな方はやってみるといいかもしれません、そのときはパッチを入れないと先に進めないという事をお忘れなくw