文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

自分を探せよりも自分を創れ、だよね。

わが子を自分探し病から守る
前編 http://anond.hatelabo.jp/20080715002131
後編 http://anond.hatelabo.jp/20080715002502

この頃自分探しって流行ってますよね、何というか僕はそれって反対派なんですよ。
自分探しって言葉を聴くたびに「いや、言いたい事はわかるけど、多分それってないぜ」と思ってしまう自分がいるんです。

そもそも自分探しって何でするわけ?

自分を探すっていうのは本質的に今の自分に対しての不満が内包されているから起こる概念だと僕は思っているんです。そもそも無いと考えているから探すわけで、根には「今の自分が本当の自分じゃない」っていう思いがあるんですよね。僕はこれは悪いとは全く思わない。人間完璧なわけなんてないし、こういう思いが無いと「俺様が最高」という救いようのないナルシストになっちゃいます。だからこそ、自分はもっと成長できるはずだと考える分においての自分探しっていう言葉なら使っても別にかまわないとは思います。
つまり「自分探し=今の自分と地続きの成長」ならなにも問題はない。
ただ、この頃もてはやされているたいていの自分探しってこういう概念じゃないと思うんです。

自分を見つけたといって変身できるわけじゃない

今流行している「自分探し」って簡単に言えば変身と同じ意味だと思うんです。

何か自分にぴったりの物を見つけたら自分は変われる!
本当の自分を見つけたから迷わなくなる!
本当の私に気づかせてくれる人を見つければ幸せになれる!

いや、嘘ですよ、そんなの。それこそ言ってるのは怪しい宗教となんら変わりない。そんなに都合の言い事があるなら世の中はもっと上手く回っています。
変身なんてほとんど不可能に近い荒業なんです、SFかファンタジーの中のお話でしか実現しない。
だけれども、上のエントリからの引用ですが

徹底した自己分析によって自分の適性にぴったりの職業を見つけて、その職業に就くことによって初めて幸せな社会人になれると刷り込まれ続けてきました。というか、刷り込まれてきたという自覚もありません。仕事=自己実現であり、答えは自分の中にあるのであり、就職活動=本当の自分探しであるという考え方に疑問すらわかない状態です。

というように社会の空気のせいで「本当の自分を見つければ幸せになれる」という蜃気楼を実在していると信じてしまっている。

もう一度言います。
自分探しは成長じゃなくて変身、だからこそ、それは簡単に見つからない。
だけれども中々、理想の自分に出会えない人間、つまり自分探しの長い旅路を経験した人は徐々に勘違いをし始めます。

努力って道はどこいったわけ?

少し考えればわかると思うんですが仮に自分にぴったりだ、これこそが自分に向いている事だ!という事を発見してもその道のプロにはいきなりは絶対に勝てません。漫画じゃあるまいし、ある程度向いているという資質だけではどんな事だって成功なんかできません。必ず「結果=資質×努力」の努力の値が必要になります。

だけれども自分探しを延々と続けている人は、これだけ自分探しに時間をかけたんだからという思いから先述したように「本当の自分=変身後」という考えに陥ります。そして、結果に飛びつくようになります。
そうなると後はわかりますね?
努力もなしに、「これは本当の自分じゃない、だって結果がでないんだもの」になるんです。
こうなると、もはや重度の自分探し病です。
延々と自分探しを続けて結局自分探しの旅の半ばで力尽きます。その時間をかければ本当の自分に到達できただろうということは言うまでもありません。

本当の自分は探すんじゃなくて創るもの

本当の自分って言うのは言ってしまえば自分の目標です。
だからこそ本当の自分になりたかったら、それに向けて努力するのが間違いなく最善です。
ありもしないショートカットを探す事なんか絶対にしてはいけない。
だから、本当の自分って創り上げるものだと思うんですよ。
自分の目標を設定して、ゼロから自分で創り出して、それでその目標に向かって爆走する。
それが自分探しに代わる正しい方法なんじゃないの?って僕は思います。