大学の授業で教えてくれた、より具体的で単純な、たった一つの「論文の書き方」
身も蓋もないが本当に有効な「論文の書き方」を読んでいると今学期の授業で習ったことを複雑に説明しているだけと気づいたので、言われたことを思い出して書いてみる。
論文の「形式」をパクる
結論は単純、
- 構成を真似したい論文を用意する。
- 主張したい内容だけを入れ替える。
以上
つまり、前例を重視するというよりも、もっと過激で形式をマルパクリする論文を準備することが重要らしい。
そしてその論文の文章の中の名詞の部分だけを入れ替えてしまうのだ。
以下に具体例を示す。
http://keiei.soka.ac.jp/keieironsyu.htmlの『情報処理能力アンケート結果に基づいた初年時情報教育のカリキュラム設計 山中 馨』を利用してみた。特に他意はなく適当に論文でググッテ目についたやつなだけです。
利用前
もっぱら大学のパソコン環境に頼っているということが分かる。従って,この学生群の存在を無視しては情報教育を行うことができない。
文章構成抽出
もっぱらAに頼っていることが分かる。従って、このB群の存在を無視してはCを行うことができない。
利用後
もっぱら「はてな」に頼っていることが分かる。従って、このはてな村民群の存在を無視してweb2.0を広めることはできない。
不思議なことにこれを繰り返すだけでそれらしい論文の形式が完成する。
以下、先生の言葉マルパクリ
「私は論文を書くときには参考資料としてのソース以外に、(全く内容が関係なくても)論理構造がしっかりしている構成用の論文を用意します」
特に英語の論文では必須
自分の英語能力はカス以下だけれども、そんな奴にこそこの方法は良いらしい。
ちなみにこの事を教えてもらった授業は英語での論文(Academic Writing)の書き方の授業だった。
理由1
論文には硬い言葉を使わなくてはいけないが、そんな物の違いは普通の人はわからないから。
例1 日本語 ×とても ○誠に or 非常に
例2 英語 ×same ○identical
自分のような素人だとあるパラグラフのまとめの言葉で
This opinion is same that another famous opinion. とか書き出しそうになるけれども
This opinion is identical to the another famous opinion.とそれなりの文章でまとめられる。
理由2
構成は勝手に用意されているので、書いてるうちに起こりがちな「あれ?これ結局何を主張したいんだっけ?」とか「だらだら延びがちになっている」とかを防げる。
ページ数を守りましょう。毎週、数百から数千のレベルで発表されている学術論文において「長い」ということはそれだけでデメリットになります。読者が短い時間ですぐに情報を得ることができるのが良い論文です。
(身も蓋もないが本当に有効な「論文の書き方」より)
理由3
英語の論文ではトピックセンテンスとかパラグラフの関係とかがすごく重要になってくるらしい(自分はあまり理解できなかったので、ただし受験の時にも何回も聞いたし重要なのだろう)が、それを無意識のうちに取り入れることができるから。日本的に論文を書くと、このパラグラフは何を言いたいのかよくわからない!と思われるときがあるらしい。
メリット、デメリット
- メリット
思った以上に英語の能力が向上する。英作文は英借文だ!と良く言われるけれども論文一個分もこれを繰り返せばいやでも論文形式の英語力はつく。あと、横道にそれなくて済むので機械的に論文が完成していく、パズルを解くみたいで本当に文章を書いているのか?と思う状態になったりもする。
- デメリット
途中で嫌になる、オリジナリティの欠片もないという思いが自分を支配するので完ぺき主義者には向かない。最初は時間がかかる、英語力がもともとあったり、論文に書きなれている人には当然ながら意味がない。