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文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

政策懇談勉強会 『食を考える』

先日、ゼミに入る(予定の)教授*1の外部勉強会に参加してきて非常に面白かったので、その内容のメモを記入。
勉強会の内容は農林水産省役員が語る今の食の問題です。

世界の穀物の状況

米の特異性

米は値段の振れ幅が大きい→生産量が少なめだから

ガソリンが値上がりすると穀物も上昇するロジック

ガソリンの値上がりにつれて、バイオエタノールの関係でトウモロコシがあがり、それにつられて穀物も上昇する。

中国の影響

一般的にGDPがあがると肉や魚を食べるようになる。肉を食べると、畜産物を育てるためのトウモロコシ分を負担しなくてはいけない。つまり1Kgの牛肉を食べることは11kgのトウモロコシを食べることと同義。またやっかいなことに畜産物の油には中毒性もあるかも?今後中国は魚の消費量も増えるのではないか。

世界の農耕面積

世界的に収穫面積はこれ以上の拡大は厳しい、そのため単位面積当たりの収量を増加することで対策をしている。ただしこれも鈍化してきている。

食の輸出規制

世界中の輸出国は輸出規制をしてきている。また、禁止とまでいかなくても関税を上げたりしている、実際に禁止措置をここ2年で始めた国が多い。食料を巡っての紛争も少なくない。

食料分配の問題

ただし、今現在では食料の生産量は人間の必要エネルギー分の生産はされていると言われているので、食料が根本的に足りないのではなく、食料の分配がうまく行ってないということがわかる。

日本の飽食化

日本は年間2000万トンの食料を廃棄している。一方で国連の食料援助総量は年間600万トン。3倍以上の量を廃棄している。

フードマイレージという概念

フードマイレージ=(輸入される食料の重量)×(輸送距離で示される指標)
この指標を用いると、東京でパンを作るときに北海道産小麦とアメリカ産小麦を使うのでは前者の方が環境に対してのコストが低いと判断できる。アメリカ産小麦の方がコストが低いと言うことで使われているが、この指標が受け入れられて環境税などが導入されれば北海道産の方がコストが低くなるだろう。ちなみに北海道産の小麦を使うと、小麦を4時間冷房で保存している時に生じるCO2と同程度のCO2を減らす事が出来る。

食料自給率

日本の現状

昭和40年では73%、平成20年41%。先進国の中ではでは最低水準、というか最低である。

食糧自給率で考慮する点

例えば、日本国内の半分以上の肉は国産表示であり、食糧自給率に貢献しているが、その畜産の餌はほとんどが輸入品である。それを考慮すると自給率はさらに低下する。また油はほとんど(99%)が輸入になっている。計算システム上、生産量を増やさなくても輸出を行うと自給率向上がもたらされる。

イギリスの自給率の上昇

近年、イギリスの自給率は上昇した。これを見習えと言う意見があるが、やや日本と違う状況であることは理解すべき。その主原因はイギリスでは主食が1種類で、食生活が変化していないのに対して日本はパン食化が進み、食生活も様々な多様化を見せていることが挙げられる。そのためイギリスの場合は単純に小麦の生産量をあげれば食料自給率は上昇した。しかし日本は食生活が米からパン食に変化したために、米をあげればいいというわけではなくなっている。またグルメなのが思わぬ副作用を招いている。

日本の農業

農業の高齢化

農業は疲弊してきている。儲からないのでやらない。平均が64歳、60歳でも現役歓迎。どうやって増やすのかが課題。青年就職者が1万人のみ。40歳以上の就職者は6万人。林業は以外と若い人が入ってきている。

農地の転用についての問題

市町村と国の思惑の対立。市町村は、国の事業として自給率あげたいのはわかってはいるけど、産業入れて(イオンとか)法人税入れた方がいいという判断されがち。そのため農地は減少している。

企業に対しての農業の開放

企業が農業に取り組むのも緩和しつつある(らしい)。詳しくは聞けなかった。

農業の持つ多面的機能

洪水の防止など3兆円近くでているという試算もある。またコスト的な問題だけでなく農村に行くとほっとするような精神的影響は費用では計算できないがそこに有用性が存在する。日本の心情風景。都会と農村は対立するものではなく、共存するものである。(と望んでいる)

食に関しての収益分配

生産から消費者までの付加価値の利益は3割超が流通に落ちている。食品製造加工が20%、農業生産者はたった10%ていどしかない→農業に人気が出ない理由でもある。

食のための政策

自給率向上のために

10年後に食料自給率50%を目標とする。これは閣議決定済み。
具体的には米余りの状態から、米の需要を増やそうとしている。キーは米粉
米粉を今の50倍に、飼料用米を70倍に。とにかく今までの米だけでなく米を利用したものを押し進めたい。
米粉パンズは全て日本製。マックの月見バーガーで既に使ってるらしい。

国民へは

Food Action Nippon
チームマイナス6%のようなもの。企業は申請すれば無料で参加できる。
国の押し進めているキャンペーン。ただし、アイコンがダサいのか参加数は少ない。

農家へは

個別所得保障制度 5600億を投入、過去例のない薄く広くの交付金
従来の交付金が複雑だったのでシンプルにしたい。

農林水産省の思惑

農林水産省は長い間、農協と農林族議員のみとの接点が強くなっていたため、この頃食料という問題が国民に注目されてきている中、それに対応する形が取られていないという事が農林水産省の中で確認された。そのため、外部にも食の現状を知ってもらえるような資料などを用意することに努め、積極的に省外に出て交流を図ろうという風潮になっている。

日本の食に対しての危機意識の低さの意識改革はどうすればいいのか?

体験しないと変わらないのでは?なので総兼業とか良いと思ったんだけど。禁止キャンペーンは広がらないけど、欲望を刺激するやり方がいいのではないだろうか?こうするとよりおいしい、とか。

その他

・農業の6次産業化、6次産業=1次、2次、3次の連携促進。資源と産業を結びつけ活用、農村地域の再生・活性化
・日本では消費者の信頼確保が重要、食品安全庁を検討したら?
・木材の自給率も50%へ(民主党マニフェスト)現在は21%。実際に公共建築の木材化を進めている。
・現在日本では遺伝子組み換え作物は建物内でしか栽培できない。

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個人的に思ったことをメモ

・今の政府は供給と需要という側面から見たときに供給を守る事に精いっぱいになっている気がした。ディスカッションでも出ていたが、企業側が国内生産物を使うことのメリットを国が保証してあげることのほうが、農作物を生産させることを保証するよりも効果があるのではないだろうか。

・農業を守ることの意義が色々な側面からある事わかったが、その意義をもう一度問い直したほうがすっきりすると感じた。自然を保護する意味なのか、自国の安全保障のためなのか、経済活性化のための起爆剤としてなのか。この目的が定まるだけでもう少し深く意味のある支援ができるのではないだろうか。

・社会人とそつなく話すのは難しい!

勉強になったので次回以降もぜひ参加したいです、できれば次回は懇親会まで。

*1:教授のブログはこちら、ちなみにカテゴリー「私的人間成長論」は大学生なら必見だと思います