読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

現役コンサル社長の考えが面白すぎた件について

コンサルファームであるCDI(株式会社コーポレートディレクション)の代表者である石井光太郎氏のお話を聞いてきました。非常に面白く、かつためになったのでポイントを書き残しておきます。

日本におけるコンサルタントの歴史

まず、コンサルタントという業種の周辺知識の為に簡単な日本でのコンサルタント業の歴史をお話していただきました。ここの部分のポイントをまとめると以下の4点でしょうか。

当初の顧客は外資企業であった。

最初は外資系が1960年代に日本に入ってきたが、ここでの顧客は日本企業ではなく、日本に支店をだしてきた外資企業だったようです。日本企業にとってはコンサルタントという業種がなにをしているのかよくわからず、そこにお金をかけることは考えられなかったようです。確かに今でも名詞だけで〜〜コンサルタントと名乗れることを考えると、当時のコンサルタントというイメージは胡散臭いことこの上なかったでしょう。ただでさえ会社の経営という重要な点をどこの馬の骨ともわからない他者に任せることは心理的抵抗があった事は想像するに難くありません。

バブル崩壊まで

基本的にバブル崩壊までは先述の風潮は続いたようです。これは先に書いた心理的理由だけでなく、高度成長期と安定成長期の放っておいても企業の成長が続く状況ではコンサルタントという職そのものへの需要がなかったようです。

バブル崩壊から00年代まで

ここから日本企業によるコンサルタントの利用が開始されたようです。経営についてのコンサルタントを主業務として、業界全体の成長したのがこの時期のようです。

現代

ここが非常に興味深かったのですが、この頃の経営コンサルタントのクライアントが会社の経営陣から、投資ファンドのような会社外部者からの調査分析が多くなっているようです。これは投資ファンドが「この企業に投資したいのだけれどもどうすれば利益を確保できる経営プランが描けるのか」というのを第三者のコンサルファームに依頼する使われ方です。そこには従来のようなdoの観点は少なくなり、経営という事よりもマーケティングのような分析が重視されているようです。またそれに伴ってパッケージ化されたコンサルタント、費用対効果が最初から目に見えるようなコンサルタントが人気になってきているようです。

新卒のコンサルへのあこがれ

とまぁ、コンサルタントについての歴史が一通り話された後、ここからが本番とばかしに、めちゃくちゃ面白い話をきけました。

簡単にいうと

経営コンサルタントをエスタブリッシュと思って受けに来る奴はなんなの?馬鹿なの?

ということです(笑)

エスタブリッシュメントという訳語はYAHOO辞書によると

エスタブリッシュメント【establishment】
社会的に確立した制度や体制。または、それを代表する支配階級・組織。

との事ですが僕のイメージでは勝ち組という言葉が似合う職種ですね。
石井氏が言うにはこの頃は、頭がいいからとか、他の奴より仕事ができるからとか、お金が沢山もらえるからとか、人にものを教えるのが上手だからとか、そういった理由でコンサルタントを志望する人が多いけど、こんなのは絶対に嘘だそうです。一世代前の東大の就職先は官僚だみたいなものが経営コンサルタントになってきているのは嘆かわしいらしいです。

それはなぜか。

石井氏はこの点を「変じゃなきゃ勤まらないから」という理由で片付けようとしたのですが(笑)、実際には以下の理由から変じゃなきゃ勤まらないからという理由が出てきたようでした。

給与は別に高くない

コンサルタントといえば一部の外資の話が出まくるせいで、経営コンサルタント=高給取りのイメージが出来上がってしまってますがこれは事実ではないらしいです。確かにほかの業界の初任給よりは高いようですが、大半のコンサルファームの給与はかける時間に対しての報酬は絶対に低いと石井氏は断言していました。実際に少し調べてみるとCDIの初任給は500万程度らしいですが、これは早朝から深夜の労働が休みなしで1年続いた年収のようです。

仕事は泥臭い

出来る人間が、さっと戦略を考えてアドバイスをするなんていう華麗なイメージでは実際はないらしいです。考えに考えて、クライアントにいつ休まれているんですか?なんていうぐらいの仕事量をこなして、それでやっと標準の仕事とみなされるようです。

安定性なんて全くない

コンサルタントなんて、所詮クライアントからは外部の人なので切られるのはあっさり切られるし、安定性なんてものは景気に変動されまくりすぎるせいで皆無のようです。コンサルタントの費用なんてほとんどが人件費なんですから、売り上げが半分になったら人件費半分にすればいいんですよ、そうすれば潰れないじゃないですか、石井氏はさらりと言ってました。

考える事を仕事と考えているようでは甘い

コンサルタントの仕事は考える事ですが、これを仕事として行うようでは絶対に足りないようです。気づいたら考えているぐらいの頭じゃないと仕事をこなすことはできないだろうと言ってました。

学生のイメージとの齟齬

これらの事からコンサルタントをやる人は、学生の中で広まってそうな「わりあいできる奴で他人が難しいと思う事もそつなくこなせる。自分の能力を活かして高給与を狙うか」なんて人は全くコンサルタントに向いていない事がわかります。上のような条件を見ても「まー、それでも俺、考える事しか能ないし」とか思っちゃうような人間が向いているようです。

凄く面白かった言葉に「コンサルに就職するってことは職人に弟子入りするようなものなんだよね」という言葉がありました。

「君、就活のときに家族に落語家に弟子入りするって言ってみ、絶対反対されるだろ?それぐらいの気分じゃないと経営コンサルなんて足突っ込んじゃだめだよ」とまで言ってました。「金が欲しかったら投資銀行とか証券行った方がいいですよね、教えるのが好きなら学校の先生になればいい。コンサルの多くの人がコンサルなんてならない方がいいって言ってるのは脅しじゃなくてただ純粋にそう思ってるだけだから」だそうです。恐ろしいですね。

極めつけは
中途採用での最終面接のときにもし配偶者がいたら、これを確認してきてくれっていうんです、でokだったら採用します。これっていうのは、僕は明日からイラク戦争の真ん中に派遣されることになったから3年ぐらいまともに落ち着いて会話もできないかもしれないし、命の危険にさらされるかもしれない。それでもいいか?という事です。いや、本当にこれぐらいじゃないとコンサル業界を続けれないんですよ
という発言。世の中のコンサル業界を志望している就活生全員に聞かせたいセリフでしたね。

経営コンサルタントなんて全然勝ち組の仕事じゃないよ、と、ステータスに踊らされすぎるなよと、非常に目が開かされた思いでした。

日本が国際競争力を高めるには

コンサルタントの話とは少し外れるのですが、これも面白かったので書いておきます。
ある人が日本の国際競争力を高めようとしたらどうすればいいですか?と質問したのですが、その時の石井氏の答えが秀逸でした。

「まぁ、実際は無理ですね。国際競争力って言っても日本人は日本が大好きですから。台湾の人とかは大学生の6割以上が(台湾という国内には先がないから)どうやって海外に就職するかばかりを考えているようですが、日本人もそれぐらいになれたら国際競争ができるようになるんじゃないですか。そもそも、大企業のコンサルをしていて感じるけども、企業として国際競争力を高めなくては→だからアジアに支店を開くぞ!といってアジアに支店を開かせて市場を作ろうとしてても、行かせた社員のほとんどがどうやったら日本に帰って日本の本社で出世できるかしか考えていない。日本というのを本拠地という発想である限り本当の国際競争力はつかないでしょう。現地に行った、よし、じゃあそこに骨をうずめて商品を流行らしてやるぜ!といった気概を持てる人間が沢山出てこない限り、国際舞台での勝利はおぼつかないでしょうね」

思わず、うーん、確かにそんな気概が日本人にあるのか?と思ってしまいました。
というわけで、この辺で締めますが、非常に興味深いお話を聞かせて頂いた石井氏には本当に感謝しております。
ありがとうございました!