読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

なぜ、僕がベイビーステップを面白いと感じるのか。

まえまえからずーーーっと気になっていたベイビーステップを遂に漫画喫茶で読んできました!

ベイビーステップ(1) (少年マガジンコミックス)


結論から言うと確かに良い!面白い!これはいい!

特に漫画においてリスクをとりいれている点は、現役でテニスみたいな個人競技のスポーツをしている身からすると(ちなみにバドミントン)凄く体に違和感なく納得できます。

えーちゃんの考える世界がこう、すっと染み込むんです。

少しでもスポーツを真剣に取り組んで、勝ちたいって思ったらやっぱりこれぐらいするんですよね。確かに試合中にノートをとるまではしないかもしれませんが、あそこに攻めて次はここだとかは結構日常的に意識してプレーします。だからこそ、勝負事の辛さとか楽しさとか十二分に実感できる。こう、現実とコミットメントする部分がある漫画は楽しいですよね。学ぶことが多いし、実際に自分の立ち位置として考えながら読むことができる。

ただ逆説的かもしれないですがベイビーステップを読んでいて特に気に入ったのが、

(頭を使う)努力することだけでは勝てない

ということをしっかりと描いている事なんですよね。

主人公のえーちゃんは、たいしてテニスプレイヤーとして能力が高いわけでもないので(といっても今の段階をみると素質はあったのだろうと推測できますけど)とにかく最初は理論を学び、そして教科書通りのプレーを考えながら身につけて武器にしていくといった方法で成長していきます。そのため、強い球を打つでもない、必殺技を持っているわけでもない、ものすごく曲がる球を打つわけでもないので、結局粘って粘って相手のミスを待つというコントロールタイプの戦術で勝つことになっていきます。でも、あるときにそれだけでは勝てないとえーちゃんが気づくんですよね。そしてそれからの彼の武器が素晴らしい。

あえて、外れるかもしれないけども(←ここ重要)リスクを取って自分のコントロールを武器にしたギリギリの球を狙って打つ
これが、彼の必殺技になります。僕はここに面白みを感じるんですね。

それは、なぜか

今までのスポーツ漫画はコントロールタイプっていうのは、全くリスクを取らないで、安全牌、安全牌をずっと重ねるだけのキャラだったと思うんです。そしてある程度の強さを最初から持っているけれども、成長しないキャラでもあるんですね。そして従来では決定的にこういう頭脳系のキャラクターは「敵」の役割でした。もっと言うとかませ犬のような役割、このようなローリスクをとにかく貫くという戦術を取って、主人公を最終的に成長させてやる役割を持ったキャラクターだったんです。

でも、ベイビーステップでは、頭脳キャラ自体が主人公であり、スポーツ漫画でそういう頭脳キャラが陥りがちなローリスクの選択という局所最適解を選びすぎるが故に成長ができなくなってしまうというジレンマを見事打ち砕いてくれています。今まで気づかないうちに読者を支配していた、コントロールタイプとはローリスク戦術しかないというステレオタイプをぶっ壊してくれています。このように、その先を描いてくれているからこそ面白みを感じます。

スポーツ漫画に厭味ったらしくない頭脳キャラという新たな主人公像を作りだしたベイビーステップ、僕はぜひお勧めします。まだ、読んだことがない人はぜひ読んでみてください!