文字の洪水に溺れながら

人生初心者、でも人生のハードモードぐらいを生き抜きたい人間。

就活から学んだ議論を円滑に進めるための5つの態度

意見の評価はパーソナリティに依存する

ディスカッションの究極の目的とは問題解決のアイディアを出すことですよね。そのために本来的には解決方法の内容がもっとも重要であるはずです。ただ、人間、なかなか解決方法の中身だけで判断するのは難しかったりするのではないでしょうか?

要するに、同じ意見を言っていたとしても、その意見を言っている人自体への評価によって、意見への評価も変わってしまうことがあり得ると思うのです。

ただ、もちろん、こういう事が起きるとあまりディスカッションとして有益なことはありません。よい意見だったとしても人物評価のせいで日の目を見ないことになってしまうのですから。

こんな状況にならないためにも私は、中身の議論とはまた別に、ディスカッションを円滑にするための態度は適切な議論を進めるうえでとても重要な要素だと考えます。

僕はこの夏休みに就職活動というものを開始し、幸いなことに多くの貴重な体験をさせてもらいました。その中で上記の点の必要性を強く感じたのがグループディスカッションです。そこでは、ほぼ初対面の人と共同作業を行い、一つの結論を出すことを要求されます。

このような場で、どのような振舞い方が良い議論を生み出すのか、自分なりに思ったところがあったので書き残したいと思います。

1、自分の表情に気を使う

相手の話を聞くときに顔は想像以上に自分がどう思っているかを表しています。ずっと笑顔でいるべきとは思いませんが(グループが悩んでるときに一人笑顔だと若干ずれているように思われます)、不機嫌な顔をして良いことは一つもないでしょう。たとえ、相手の意見に否だと思ったとしてもその考えを顔に出した瞬間、その後のコミュニケーションは潤滑には進みません。

少し想像してみてください。自分なりの考えを必死に話しているとき、相手が明らかに嫌そうな顔をしていたら、次のテーマの時にその人に話しかけたりしようとは思えなくなりませんか?

相手の目をみて「私は真面目に話を聞いているよ」というアピールを相手にしてあげてください。この態度が議論における相互信頼の始まりとなります。

2、結論がでたことは引きずらない

上記の事と関連しますが、自分の意見がグループの結論として受け入れられなかったときに残念と思うその気持ちをそれ以降に引きずってはいけません。そして顔に出してももちろんいけません。(残念と思うこと自体は仕方がないとは思いますが・・・。)

僕が体験したGD(グループディスカッション)で最も困ったものは、「拗ねる」「ふてくされる」という行為に走る人です。

僕はもう知らない、とか、このグループは自分には合わないからいいや、と言った思考はグループのメンバーが1人いなくなる状態を作るだけでなく、空気を重くする人が増えるというマイナスの存在になってしまいます。GDは共同作業です。たとえ自分が力になれないと感じたり、疎外感を感じたりしたとしても、周りに迷惑をかけないように努めるのが最低限の大人の行動ではないでしょうか。

3、相手の話をさえぎらない&結論づけない

相手の話を最後まで聞くことは議論、というよりも円滑なコミュニケーションをとる上で最低限必要なことです。ただ、この最低限のことができている人が(自分も含めて)意外にいません。そして、相手の話を遮るときの常套文句が「それは〜〜と言うことですね」という、相手の結論を奪う行為です。多くの場合、人は自分の話を勝手に要約されたとき、素直に受け取ることはできません。そのため、結論を奪ってしまうとよく

○について話そう

(○についての各々思う事を提案するフェイズに移行)

Mさんが○について話す

Lさんがそれを遮って結論づける

Mさんが「いや、そうではなくて」と補足等をしようとする。

それに対して別の人が「こういう事ですか?」等と話に入ってくる

(Mさんの○についての話がどういうものか、というフェイズに気づくと突入している)

という、本来の大筋とはずれた議論の流れになってしまいがちです。そうすると、全体からみると結論に向けて大変な大回りをしているという事になってしまいます。このように、話を最後まできかないという行為は、グループで行動する上で大切な意志共有というものを阻害し、結果としてあまり良い結果にならないことが多いと感じました。

*1

4、自分の能力アピールは全く必要ない

ディスカッションで最もいらないものの一つに自分の能力アピールがあります。具体的には、「それ、僕も今考えてた」「昔、それは考えたことあるけれど」「あ、知ってる」「経験上、きついでしょ」といった言葉たちです。これらの言葉のほとんどは意見ではなく、「感想」です。その人が昔考えたことがあるかどうかは事実か分かりませんし、あまり興味もありません。実際にディスカッションで役立つのは根拠がある建設的な「意見」です。上記のような感想でしかない、自分アピールの言葉ではメンバーの志気を下げることはあっても、その人の評価の向上につながることはまずありません。ましてや、そのような感想からディスカッションの成功に繋がることはないでしょう。

5、メンバー全体の利益を考える

上記のすべての前提になることだと思うのですが、個人の利益よりも、そのグループ全体の利益を考えることを優先しましょう。それが結果として円滑な意志共有と、活発な意見交換がなされる土壌の形成に繋がりなます。

少し就活の話になりますが、GDはグループの中での能力を見るために行われていますよね。グループの中での能力とは何でしょうか?きっとそれは組織で結果を出すという事につきると思います。しかし、実際にGWを体験したりしてみると、個人でどう考えるかというのを重要視しすぎている人が多いイメージでした。周りのメンバーと一緒に作り上げたのはこのようなことです。と自信をもって言えるかどうか、結果を出すために必要な視点は実はこういう事なのではないでしょうか。

番外編

(こっからは就活生として意識しといた方が良いなぁと感じたことをメモっておきます。)

  • 議論の過程を無視しない

就活のGDには必ず時間が限られていますよね。その時間内にある程度まとまった結論が必要になるという事ですが、議論が終盤にさしかかったときに、これまでの前提を疑ったりする意見がでてくることがあります。たとえば、「そもそも(←議論終盤では危険ワードです)、このターゲティングが間違っているんじゃないのかな」等と言ったことです。言ってる内容がたとえ正しくても、これはやめておいた方が良いかなぁと私は考えています。理由は簡単で、メンバー全体が混乱状態に陥り、まとまった結果を出すという最低限な基準すら満たさないことになってしまう恐れがあるからです。

  • 周りはライバルではなく、面接官だと考える

今までの内容を読んでくださった方には、そうは言っても周りと比べてアピールしないと就活は通らないんだろ!と感じる方もいると思います。ただ、もう一度考え直してみてください。その採用はおそらく一人だけを採る採用ではないですよね?企業に入ると言うことは組織で働くということです。そんな現実の中で、今横にいる人と円滑なコミュニケーションをとって結果を出すと言うことをできないで、会社の中に入って周りと結果を出すという仕事をやっていけると僕は思いません。
 僕自信はこの夏休みに学ばせてもらったのは、周りは自分と競っているライバルであるという考えるのではなく、周りこそが自分を審査している面接官だと考えるという方法です。
 面接官への接し方は、自然と仕事に就いたときのクライアントへの対応の仕方に繋がっていくのではないでしょうか。そういった意味でも、周りは同じ学生だという思考ではなく、社会人としての接し方の練習の機会が1つ増えると考えて、逆に周りの就活生に私がチェックされていると考えてみてはいかがでしょうか。

*1:ただし、あまりにも一人でぐだぐだと時間を使っている場合は例外ではあります。ただ、それも結論は奪わないで上げてください。反論から、また本筋とはずれた話が続いてしまいます。こういう時は結論を相手の口から言わせるようにすると効果的でした。具体的に言うと「あまり時間がないので、結論としてはどういう事ですか?」と聞く等です。