卒論・レポートの完成度を高めたい大学生のための『わかりやすい文章を書くためのコツ』
100ページの文章術 〜わかりやすい文章の書き方のすべてがここに〜
非常に役に立ち実践的な文章術がコンパクトにまとまっていたので、自分用にまとめメモ
文章の構成
文章の構成は基本的に以下の要素で構成される。
- 前情報
- 扱う話題
- 論の組み立て
- 回答
- 補足説明
要素の表出順番もだいたい上のような流れになる。
ただし、文章によってはある程度の要素が抜けていても問題はない。
この構成は文章全体にも言えることだし1章だけ抜き出しても当てはまる。
文章全体としてわかりやすくするには
文章全体をわかりやすくするために大切なのは「骨格」
骨格というのは書きたいことの流れのこと
ちなみに文章の骨格の重要性に関して読んでるとnext49さんのこの記事を思い出した。
論文の味わいを決めるのは脂じゃなくて骨なんだ!骨がきっちりした論文は肉がきっちりついてうめぇ。
骨がガタガタなのに肉をつけようとすると犬にでもくれてやりたいできあがりになる。そいつはいただけねぇ。
『俺様に論文を指導してもらいたければ以下の手順を踏みやがれ!』発声練習
骨格の練り方は以下の通り
- 回答を決める。別に1つであるとは限らない
- 扱う話題を決める。これは1つでないといけない
- 回答に論理的に結びつく一連の主張を並べる
- 扱う話題の上に何らかの主張をおいてもよい。それは前情報となる
- 回答の下に何らかの主張をおいてもよい。それは細く展開となる
- 論の組み立て・回答に必要に応じて複数の主張を統合する小話題をおく
骨格ができたら文章を書くことにとりかかる。
その時に気をつけるべきポイントは以下の通り。
わかりやすい文章全体の書き方
◆無駄な情報を削る
◆一度に一つの話題だけ扱う
・一つの章には一つの大きな話題だけ
・一つの段落では一つの話題だけ
◆何の話をするのか前もって知らせる ・見出しをつける
・小段落の冒頭で扱う話題または回答を明示する
・回答の概要を述べてから細部に入る
・次に来る文の位置づけを教える
◆原則として、前の文の要素を次の文の話題とする
◆読者が待っている情報を与える
◆読者が知らないであろうことは説明する
◆重要なことがらから述べる
個人的には赤字にした以下の2つを特に意識すること。
「何の話をするのか先に知らせる」と「重要なことがらから述べる」
読者には「今なにを話しているのか」を常に理解させ、
その話題で「最も重要なこと」を真っ先に理解させなくてはいけない。
一つ一つの文をわかりやすくするには
わかりやすい文を書くためには、わかりにくい文を書かなければいい。
文がわかりにくくなる原因は以下の通り。
◆一つの文に多くの情報が詰め込まれている
◆情報を与える順番がおかしい
◆どの語が度の語を修飾するのかが不明瞭である
・ある語が修飾している後を見つけにくい
・被修飾語の候補が複数ある
◆言葉のまとまりを捉えにくい
つまり、以上の原因を排除するように文章を書けばよい。
具体的なまとめは以下に記す。
一つ一つの文を解りやすく書くには◆一つの文で一つのことだけ言う
・無駄な情報を削る
・複数の情報を次々つなげない
・情報をついでに付け加えない
◆重要な要素を先にする
・その文の扱う話題を先にする
・扱う話題を読者が解っている場合は主張を先に記す
◆語と語との修飾関係を明確にする
・長い修飾語を先に、短い修飾語を後にする
・短い修飾語を先にする時、その後ろにテンを打つ
・長い修飾語の後ろに長い文がつつくとき、その長い修飾語の後ろにテンを打つ
・意図せぬ修飾関係を生まないように配置する
・修飾関係を断ち切りたいとき、そこにテンを打つ
◆漢字とカナを混ぜて、言葉のまとまりを捉えやすくする
とくに赤字にした修飾語関連の箇所と漢字カナの箇所は勉強になった。
解りやすさが格段に上がることを以下の例で確認してほしい
× 同僚が先の見えぬ恋に瞳を燃やしているR子に迷子札を張った。
○ 先の見えぬ恋に瞳を燃やしているR子に同僚が迷子札を張った。
『長い修飾語を先に、短い修飾語を後にする』
× 倒れた隣家の庭木。
○ 隣家の倒れた庭木。
『意図せぬ修飾関係を生まないように配置する』*1
× 指示されたので全員早速厨房に行った。
○ 指示されたので全員でさっそく厨房に行った。
『漢字とカナを混ぜて、言葉のまとまりを捉えやすくする』
まとめ:上記を使って文を推敲する手順
- 情報を絞って、一文に一情報にする。
- その文の重要な要素を先にする。
- 修飾関係が不明瞭なら語順を替えるか、テンを打つ。
- 修飾語と被修飾語の距離を短くする。
- 漢字とカナの混ぜ方を工夫して見やすくする。
最後に
いろいろなテクニックをまとめましたが、一番重要なのは
「わかりやすいか」という意識をもって読み直す。
ことだそうです。面倒くさがらず、しっかりと推敲しよう、自分。
*1:×の例では倒れたが隣家にかかるのか、庭木にかかるのか不明瞭